2023/03/02 23:12


素人小洋裁ゆふのおばばです。


今日はリサイクルお着物が生地になるまでお話しさせていただきますね。

まず。
ほどきます。
襟や袖、裾などの縫い目が見えるあたりから糸切りバサミで一目をまず切ります。
その切り口を突破口にして袷(あわせ・・・裏地がついているお着物のことです)なら、裏地と表地を剥がしながら糸を切って2つに分けてしまいます。そして表地、裏のそれぞれを更に各部位を繋げている糸を切り離していきます。裏地のない単衣の着物も三つ折りなどになっているところもちょきちょき糸を切って開いていきます。
その作業中に、汚れや傷みをチェック。小さくあて布があったり、ダーニング(日本的には繕い)がされていることもあって、いろいろ想像してしまいます。
「あ、長さを間違えて切り込み入れはったんやな」
「たばこの灰が転がったんやろか?小さい穴があったわ。あ、やっぱり焦げ跡!」←男物のお着物にはままあることです。
「あれ、こんなとこにシミある。食べこぼししはったんかもやな」 などなど。

一通り確認ができたら、洗濯をします。洗うのは表地は表地、裏地は裏地。一種類のお着物のみです。洗面所にぬるま湯を張って、おしゃれ着用の洗剤を適量入れます。
その中に解いた着物を浸して、押します。決して揉んだり絞ったりしてはなりませぬ。ぎゅっぎゅっぎゅぎゅっ汚れや色落ちがある程度おさまるまで押し出します。最後にぎゅうううっと押して水切りします。
今度は水を出しっぱなしにしながら洗剤が残らないように押し出します。
そして水切りを行ったら、一旦避けておいて、洗面所に水をまた張って無香料の柔軟剤を適量溶かします。そこに洗ったお着物の全部の部位に柔軟剤が行き渡るように浸します。

できあがったら、軽く水気を切って、風通しの良い日陰で干します。この段階ではぽたぽた水が落ちてきます。その、しずくがなくなったら、低温でアイロンをかけて生地を整え、また、風通しの良い日陰で干します。
これで完成です。

専門の洗い張りとは全く違いますが、汚れや匂いも概ね取れます。
実は、私は自分用のリメイク服もこの手順で手入れしてます。お風呂に入っている時にちょこちょこっと手洗いして、お風呂場の突っ張り棒(シャワーカーテンの棒)に引っ掛けて一晩水切りをして、朝に陰干しという感じです。
ただ、アイロンが(私がおそろしく下手なので)うまくできず、どうしてもシワっぽくなってしまいます。気にならないよって思って下さる方やアイロンがけの上手な方はこのお手入れ方法でも良いと思いますが、いかがでしょうか。

私はアイロンがかかった服が、特にシャツが苦手で・・・。あまり魅力を感じません。リネンもそれこそ手洗い陰干しで仕上げたものが好きです。なかなか社会人としては理解されませんでしたけど笑